tougaku2012 page 1/6
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課題2原子力発電問題▲爆発で建屋がむき出しになった福島第一原発(海上自衛隊提供)原発問題を考える2011年3月11日に発生した強い地震と大津波に襲われた東京電力・福島第一原発は,緊急自動停止ひばくをしたものの....
課題2原子力発電問題▲爆発で建屋がむき出しになった福島第一原発(海上自衛隊提供)原発問題を考える2011年3月11日に発生した強い地震と大津波に襲われた東京電力・福島第一原発は,緊急自動停止ひばくをしたものの,電源・冷却機能の喪失,水素爆発,作業員の被曝,放射性物質の飛散など,これまで経験とぼしたことのない深刻な事態に直面した。資源に乏しく,エネルギーの大半を輸入に頼っている日本にとって,原子力は技術で獲得できる事実上の国産エネルギーとして期待されてきたが,今回の事故を受け,原子力発電を前提とした従来のエネルギー政策は見直しを迫られている。3.11東日本大震災の発生未曾有の原発事故2011年3月11日,大震災の発生から56分後の午後3時42分,東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)に13台あった非常用のディーゼル発電機が1台を残してすべて止まった。14mを超える津波が原発を直撃したためだ。地震で停電していたところに,非常用の発電機まで失い,福島第一原発の6基の原発のうち,1 ? 5号機では電気がまったく使えなくなった。原発は運転中に異常があると,自動的に燃料棒の間に「制御棒」がさし込まれ,核分裂反応が止まるようになっている。地震のときに運転中だった1 ? 3号機でも自動的に制御棒がさし込まれ,核分裂反応が止まった。4 ? 6号機は定期検査中で,もともと運転していなかった。しかし,事態はそこから思わぬ方向にすすんだ。原発の燃料のなかには,運転中にできた核分裂生成物がたまっている。核分裂生成物は安定な状態になるまで放射線と熱を出し続けるため,原発は核分裂反応を止めたあとも燃料を冷やし続けなければいけない。燃料が熱くなりすぎると,溶けたり壊れたりして,核分裂生成物もが外に漏れてしまうからだ。ところが,その燃料の冷却ができなくなった。原発は原子炉に水を入れて燃料を冷やす装置をいくつも備えているが,電気がとだえて働かない。消防用ポンプで原子炉に水を入れようとしたが,パワーがたりず,十分に入ふっとうらない。そのうちに1号機の原子炉のなかの水が沸騰して,減り始めた。そして,燃料の上部が水から露出した。こうなると非常事態だ。水と触れていない燃料は,どんどん熱くなる。1,800度を超えると,まず燃料をおさめた特殊な金属のさやが溶け始める。2,800度を超えると,こんどは燃料そのものが溶けだす。燃料をおさめたさやが溶けると,水素が発生する。1号機では12日午後に水素爆発が起こり,建屋が吹き飛んだ。核分裂生成物が原発の外に漏れていることも確認され,燃料が溶けたことが確実になった。14日には3号機でも水素爆発が起こった。15日には2号機でも爆発があり,原子炉格納容器の一部が損傷。4号機でも,使い終わってプールに保管していた燃料(使用済み核燃料)の損傷が原因とみられる火災が発生した。1 ? 4号機からは大量の放射性物質がまき散らされ,広い範囲で空気,土地,地下水,海までが汚染された。17