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第3章現代経済と福祉の実現133原子力発電問題ワイドテーマ・5(『朝日新聞』2011. 7. 1)記事を読むドイツでは2022年までに国内すべての原発の稼働を停止することを決定した。福島第一原発の事故をうけての決定で,....
第3章現代経済と福祉の実現133原子力発電問題ワイドテーマ・5(『朝日新聞』2011. 7. 1)記事を読むドイツでは2022年までに国内すべての原発の稼働を停止することを決定した。福島第一原発の事故をうけての決定で,福島第一原発の事故後,「脱原発」へとかじを切った主要先進国はドイツが初めて。▲原子力発電所の前で抗議する人々(撮影ヒロヨ・ベーレ,Jan Jan Blogより)ドイツ北部のグローンデ原発前には原発に反対する人々が2万人近くも集まった。手前の旗には「Atomkraft?Nein Danke!(原発?おことわり!)」と書かれている(2011年4月25日)。歴史と将来の見通しエネルギーをどう考えるか日本の原子力開発は,1953年12月の国連総会で,アイゼンハワー米大統領が演説した「原子力の平和利用」宣言でスタートした。エネルギー争奪戦となった第二次大戦に敗れた日本にとって,復興のためにも自前のエネルギーは必要だった。翌54年4月,初の原子炉建設関係の予算が成立,55年に「自主・民主・公開」に基づく原子力基本法が国会を通過した。56年,茨城県東海村に日本原子力研究所を設立し,63年,国内初の発電用原子炉の発電を成功させた。国内初の商業用軽水炉,日本原電敦賀原発1号機が運転を始めた70年,大阪開催の万国博覧会へ送電され「原子の灯」と紹介された。かげ順調な〈航海〉に陰りが出たのは,74年の原子力船「むつ」の放射線漏れ事故で,海外では79年,米国スリーマイル島原発で炉心溶融事故が発生。86年,旧ソ連のチェルノブイリ原発で爆発事故など,原発の安全性を揺るがす深刻な事故が続いた。内閣府の世論調査では,70年代まで利用に「賛成」が6割だったが,80年代以降は4割を下回る時代が続いた。しかし87年度には,日本の発電総量の約3割を賄まかなうまでになり,高度成長,技術立国化を支えた。高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故(95年),核燃料加工会社「JCO」で臨界事故(99年)も起きたが,温室効果ガスの排ともな出抑制という動きに伴い,排出量の少ない原発の活用見直しが世界的に進んでいた。こうした時期に,今回の事故は発生した。世界は「フクシマ」後の原子力利用をどう見ているのだろうか。ドイツやスイスでは原発の全廃を決定した。しかし,米ニューヨーク・タイムズ紙は「米国の原発も非常用かくじゅうはか電源の拡充を図るべきだ」,英オブザーバー紙も「人類の主こくふく要なエネルギーとして残る」と,災害を克服する意志を示している。元原子力安全委員長の松浦祥次郎氏は「これからも原子力を活用するなら,これを教訓とし,より災害に強いシステムを整える必要がある。エネルギーをどう考えるか。我々利用者も考え,判断することが求められている」と話す。原発に関する世論調査読売●「今後,国内の原発をどうするか」※うち「減らすべき」は47%,「全て廃止すべきは19%」朝日●「原発を段階的に減らし,将来はやめることに賛成か反対か」増やすべき2%現状維持29%反対14%無回答・その他12%(『読売新聞』2011.3.30)無回答・その他2%削減・廃止※67%(『読売新聞』2011. 7. 4)賛成74%(『朝日新聞』2011. 6. 13)